「入国スタンプの期限が切れている。overstayだ」
部屋を仲介している不動産エージェントから連絡があった。そんなバナナ。1,900バーツを支払い、滞在延長申請が許可されたはずなのに、immigration が不法滞在であると見なしたようだ。なぜだ……。
「とにかく自分で行ってくれ」
LINEのそのひとことで、冬休み初日はimmigration office に行くことが決まった。
早速、タイのタクシーアプリである「Bolt」を使い、Immigration officeを訪問した。主にファラン(白人)の滞在者でごった返すオフィスの中で、職員の皆さんは適切にそして厳しく働かれている印象を持った。賄賂・袖の下が横行するニヤケ顔の職員を想像していたので、厳しい表情で論理的に説明する姿を見たときには感動すら覚えたものである。
結論から言えば、overstay ではなかった。無査証ビザをオンラインで手続きした結果、パスポートに滞在期限を記したシールが貼られる。この手続きは比較的新しいものであるために、おそらく職員が誤った判断を下したのであろう。推測の域を出ないのは、職員の指示通りにカウンターを回った結果、いつの間にか滞在延長が適切なものとして認められたからだ。誰かが責任を取ることもなく淡々と処理が終わる。マイペンライシステムだ。
日本とどちらが良いのだろうかと思う。上意下達で企業理念を末端まで染み渡らせる日本、良くも悪くも個々人の裁量が認められているタイ。ブチギレたクレーマーに誠心誠意謝罪をする日本人の姿が浮かぶ一方で、謝罪も反省もなく淡々と事務処理を進めたタイ人。
誰かが誤っていたから自分がわざわざ足を運んだのに、責任の所在もなく阿吽の呼吸で終わるシステム。なかなか面白いじゃないか……。彼らは時に、「ミスタ〜、イージーイージー」と言うのだけれど、一次情報を的確に掴んでいかないと最終的には自分が大怪我を負うのだ。